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70 ボクらの太陽自律神経編

6月第一週の休日の朝の空気は夏のものとは思えぬほどに冷たく、油断すると鼻からちょっとしたアミューズメントが液体として垂れてくるので定期的に啜り上げての回収が必至。未だに片付けていない足元のストーブに手が伸びそうになるも前回の失敗を繰り返すわけにもいかない。止まらない体の震えは物理現象の反映として確かに俺の体に顕れた。冷えた手で冷えた足のツボを押し、感覚を失いかけた末梢神経周りの血流を取り戻すというやや消極的な手段を講じるに至ったのはそこそこの妥当性を備えているだろう、左足を右腿の上に設置してツボを押し始める、と驚天動地、下腹部にまでその痛覚を伝えるほどに抑えると響く部分があることに気が付いた、俺の足裏に。

何これ?俺の中に何かが眠ってたりしたか、足裏にガラスか何かが埋め込まれたか、どちらかでなければ納得できないほどに叫ばれるヘルプミー。前者は壮大なRPGの幕開け、後者は改造人間の第一歩然としたストーリー、王道ファンタジーとSFのにらみ合いが俺の肉体上で行われていることに驚きを覚えつつ「足裏 ツボ」で画像googleし2大ジャンルの係争地たる箇所が如何なるツボなのかをチェック。画像の大きさと画質の兼ね合いで文字が潰れていてよく見えないが太陽、神経……?とか書いてある気がしたので「太陽 神経」で再google、至る結論。どうやら太陽神経叢?というものが俺の急所であったらしい。検索結果の内容がチャクラとかパワーストーンとかあったので、人体パワースポット的な、概ねそういう理解でよろしいと思われる。俺の体内に潜んでいたものはガラスではなく、太陽であったらしい。ツボを押すとそれに連動してギラギラと魔性の輝きを放ちながら内から熱を放射してこの身を焼く。風は吹き荒び日は遠くで鈍い光を投げかけるだけでも、何もその太陽を追いかける必要などはない。中空を仰ぎ見ずとも太陽は我々の体の内に存在する。