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67 座布団を食べるのはおやめください

特にすることがある訳でもないので、テレビのリモコンをいじると相撲中継がやっていたので見ることにした。が、唐突に実況が行司について話を始めた。詳しい部分は忘れたので覚えているところだけかいつまんで話すと「土俵上で独特の振る舞いをする」「まるで歌舞伎役者のような凛とした佇まい」とかすごい褒めてた。肝心の取り組みに関しては、小柄な方の力士が引っ掻き回す展開になり俺は小柄を応援して見ていたのだが最後は寄り倒し?か何かの決まり手であえなく大柄に軍配。力士について四股名ではなく大柄だとか小柄だとか言うくらいなので俺は相撲を真剣に見ているわけではない。たまたまザッピングと歌舞伎の行司のタイミングが合致しただけなので実況のこの発言には度肝を抜かれ、大木をなぎ倒すが如くの寄り倒しが決まった瞬間のリプレイに続き、同じ瞬間の行司の挙動がリプレイで流れ出したときは抜かれてはいけない方の肝も抜かれるところであった。

何せ純然たるスポーツとして以上に相撲を見ていない、塩をまいたりするのも塩分補給のついでなんだろう、熱中症対策は大事だ。ので、まさか行司にスポットが当たることがあるなどつゆ思わず。野球中継で、審判がストライクのコールで奇声を発したり三振のジェスチャーでオリジナル拳法を披露することは確かにある、だがその審判について実況が「グラウンド上で独特のコールをする」「まるで少林寺有段者のような力強い佇まい」と言ったりはしないだろう。リプレイが流れれば俺たち視聴者は投手の絶妙のコントロールやら変化球のキレやらに見とれていればいい。テレビでは緊張した表情を浮かべ、すり足で土俵を小刻みに動きながら時折何かが残っている旨を伝える、艶やかな着物に身を包んだ男が大写し。画面の左端には何やら巨大な裸体が見切れていた。