48-ドラッグ電子

アップデート。

iPhoneに換えたのは昨年の8月位のことであったがそれから間もなくして「設定」アイコンに「1」の数字が謎の立候補をしていた。アップデートするためにはwi-fiに接続してください、こんな感じのことを言われたけど情弱が服を着ていること俺にはよく分からないので放置。たまに服も着ていないことを考慮すれば純度100パーセントの情弱、放置すること半年。原始人なりにwi-fiへの繋ぎ方を学んだので繋ぎついでにこの自己主張甚だしい「1」も電子の藻屑へ葬り去ってやろうとこなれた指使いで設定アイコンを。アップデートしますか?するする。

再起動します。おうやってくれ給え、と言う間もなく画面が暗転、次いでリンゴが大写し。また暗転、設定の守護霊よろしく右肩にくっついていた1は居なくなったが次の瞬間には見慣れないアイコンが四面楚歌で困惑。可愛いハートマークは「ヘルスケア」、ちょっと見たけど何か栄養とか記録するやつっぽいだが粗食は健康のもとが信条ゆえにアイコン削除。できない。人型電波発生源のアイコンはPodcast、そんなもんが無くても最低限どころか中等度の文化的生活は今まで送れてきたはずなのでゴミ箱へダンク。できない。閃いたっぽいアイコンはヒント。「ヒント」この言葉が与える世界が漠然としすぎていて目まいがする。いる時にいらなくていらない時にいる物な~んだ?みたいな場面に遭遇した時に急にバイブして通知が届いたりする、そんなアプリであるように思えるのだけど大抵お風呂の蓋とかなので明後日へ投擲。できない。

とにかくアイコンが消せない。消そうとするとLINEとか読書メーターとか大事な面子がぶるぶる削除に怯える有様、手元の長方形と俺との間にものすごいテンションの差を感じた。さらに言うと動作がかなり緩慢になった、気がするので余計にこれらの戦力外デバイスどもを夜空にロマンチックに浮かべてやりたくなる気持ちが強くなるのだが、できない。WEBに助けを請うも今回のアップデートによりSafariにハイスピードカメラが実装されたらしく、溜め息を一つき。数々の事件は確かに俺の人生を横切り、それらはもう二度とアップデートなどしないと誓うのに十分すぎるほどのものであったが、これから向こう数年はこの通話機能付きアラームと付き合わなければならないという事実だけが残り、いや、これからはこんなものに振り回されずに生きていくのだ、と決心がついた清々しい気持ちでPCの電源を入れることにした。途端にiTunesのアップデートを迫られた。