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42-ドリアン記念日

ターミナル駅の一角、切り出した石で組み上げられた壁画――と呼んでいいのかは分からないけど便宜上壁画とする――がどこかで見たことがあるような気がしてしばらく立ち止まることにした。

高さ3,4メートルほどなのでよく見える位置からじっくりと眺めて己の記憶との対比を試みたかったのだが、絶好のポジションを手に入れるとコンビニを背にすることになり自動ドアの開閉ショー、かといって通路の真ん中で人間中央分離帯を演じるのは俺には少々荷が重い。ので、壁画を至近距離から眺めることに。組み上げた石盤の上にさらに鳥(手塚治虫火の鳥がビジュアルとしては一番近いかも)の彫像?があしらわれているのだが尻尾の部分に貯まっているホコリが目に付く程度には接近していた。たいていこういう作品には左下に作者の銘があるはずなので、その名前からネットの海に答えを求めればボトルメールの一通くらいは返ってくるだろう、いざ見てみるとそれらしき橙の長方形の石が壁画から浮いているんだけど文字が潰れていてアカウント認証時のアレ以上に解読不可能。銘を入れたらたちどころに鳥が壁から抜け出て大空へと羽ばたくという有事への措置なのかも、ホコリまみれで大空へ画鳥点睛。バスが出るまではまだ時間はあるのでもうしばらくこの鳥と対面することにした、が1分で飽きた、ホコリを数えるのがメインに挿げ替えられている現状に気付いてしまった。だがあと15分もある、駅の近場にあるドラッグストアへ。店内に入ると暖気と同時に中田でヤスタカっぽいBGMに包まれた。女性アーティストが恋心を歌っているがドラッグでもストアでもない歌をよくも流せたものだな、と店長のDJとしての才能に感心しながら、どこかで聞いたことがあるような気がしてしばらく立ち止まることにした。