33-目に入れても

テストを終えてからというものの左目に違和感がある。正確に言えばテスト期間中も、意味不明瞭の数式と夜戦を繰り広げていたためか目がパリパリに乾燥し切っている感覚があった、テストを終えて気が緩んだのかは分からないがその感覚が牙となりて目の奥の神経の束から火花が散っている。セクシーさ皆無のウインクを続けるのも居所が悪いので薬局へ目薬を。

目に入れても痛くない、その言葉も裏を返せば大体のものは目に入れると痛いということ。そして目薬とてそれは例外ではない、痛覚とは身体が発する危険信号である。目薬を差すこととは目に異物を入れることだ。それなのに、織田裕二とかが「キター!!」とか何とか言って危険信号フルスロットルの状況を満足げに叫んでる被虐趣味の映像が全国にお届けされているのが現状だ、機能美は失われた。そんな訳で眼前にはとってつけたかのようにどこもかしこも「清涼感」だの「スカッと」だのとまるでそっちがメインであるかのように書いてある景色が広がるもんだから、困る。そこかしこに「クール!」「クール!!」って医薬品の商品棚というよりは音ゲーの画面の方が近いんじゃないだろうかという気すらしてくる。それでもそういう成分が含まれてないものもあるだろう、そう思いビタミン各種がほどほどに入っていてそこそこ安価なものを見付け、いいかなと手を伸ばすとゲーセンの熱気に包まれる、却下だ。しかもそれを1回1~3滴、1日5~6回点眼、って、ビキニ環礁とでも張り合ってるつもりとしか思えない。そうやって却下を繰り返しているうちに音ゲーの筐体に四面楚歌されている現状に気付く。マイルドとか、No Nukesとかそういうこと書いてあるのが一個も見当たらない。富裕層が買い占めてしまったんだろうか、ああ格差社会

とりあえず見て回った中では一番優しそうなのを買ったが、それでもパッケージ裏に印刷されている清涼強度なるよく分からない尺度では6段階中4つ目。今からこれを目に入れる段になり、怖くて仕方がない。とりあえず何かしらの修行だと思うことにした、何かしらの。行けるって、絶対。多分。きっと。おそらく。