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日記

プログラミング。

一週間で組む大学の講義の中で最も苦痛を強いられたものがこれである。「情報科学」というネームバリューが持つ甘い香りに惹かれこれからはITの時代だよね!と意気込んだまではよかったが、人には向き不向きが存在するという既知の事実をなぞられただけに過ぎなかった。初めのうちはメールの設定や初等関数のプロットなど、私が歩けば後ろを付け回すむく毛の可愛らしい雛鳥のようなものだったが、進度が増すにつれて微分方程式の数値解や標準偏差が台頭、第一の口から灼熱の業火を吹き第二の口から森林を惑星レベルで無に帰す瘴気を吐く大怪鳥へと変貌を遂げた。メインはC言語だがAもBもまだなのにそこまで我々の関係を進めて良いものか、などと思案しているうちにプログラムを組んでロケットを飛ばすように鳥獣使いの教授がおっしゃる。中心力を受けて楕円軌道を描くロケットに適当な時刻で適当な撃力を加えることで座標(1.5,0)の火星に飛ばすように、ってそんな適当でロケットって飛ぶのかな。

コンパイルすると当然のようにエラーを返される予定調和。コンパイル・即・エラー。悪・即・斬の様式を真似てみても己の頭の悪さが明確になるばかり。プログラミング、こんなものがあるからいつまで経っても世界が平和にならんのだ、第一人者どもを一人づつ屠っていく連載が来週からチャンピオン辺りに掲載されてもおかしくはない。おまけにコードを打ち込むパソコンの動作が緩慢、かな入力していても5秒ごとに一時停止して英字入力に切り替わる要介護状態。ある意味コンピューターおばあちゃんと言えなくもないが、入れ歯じゃなくて画面がカクカクなので僕は大嫌いさ、あ、また止まった。思わず目の前のAplle社製の老婆に中指の角度が上昇、ファッキンだ。ファッキントッシュだ。今回の課題もシェルスクリプトの勝手がわからず講義のアシストをする院生(鳥獣使い)に質問ラッシュ。ここまで大怪鳥を乗りこなせたのも大部分は彼のおかげだ。毎度のことながら要点を餃子の皮程度までかみ砕いて教えてくれる彼。ありがとうございます、と毎度のことながら愛想笑いを浮かべていると「まあ、コンピュータはこのシェルスクリプトで大体動いてるからね」と。なるほど、こうして僕がキーボードを叩きそれがモニターに反映されているのもプログラミングの功績という訳か。プログラミングがあるからこそインターネットは機能し、人と人とのつながりが生まれ、世界は平和に近づくのだ。すごいぞ、プログラミング。ごめんね、おばあちゃん。これからはもう、プログラミングに足を向けては寝られないぞ。

中指は立ったまま。