27

マウスが反応しない。

別に浦安で世界的なネズミにシカトを決められたわけではない。スリープ状態から覚醒を試みたパソコンでいつものようにネットの海へ漕ぎ出そうとしたところオールがお麩だった、と。電池を換えても動く気配を見せない。このようなことは今までにもあったがその時には不貞寝という解決策を提案したところ受理されたようで、翌日から何事もなかったかのように軽快にポインタが反応した。が、今回は以前とは異なり急を要している。電池を換える以上の手が打ちようがない無力な、不貞寝を封じられた私のもとに残った解決策としては物理法則を超越したものばかりが立候補。今まで気持ちよくスリープしていたパソコンが省エネの夢の中にいつまでも浸っていたい、という願いからサボタージュを決行しているのかも分からない、無機質の象徴として語られることの多いコンピュータに感情が芽生えた瞬間である。と言わんばかりの感動ストーリーが来春ロードショーになりかねないので早急に動いて欲しかったが、依然としてポインタはモーフィング地蔵。

仕方なく使用率が世紀末であるタッチパッドにタッチ。この操作感が何よりもイラつく、ポインタの動きに自らの運動神経の無さが反映されているようで「2」という通信簿の数値がフラッシュバックする。イラつきが増すごとに緩慢になるポインタ、迅速な動きを求めてブラインドタッチを適用すると、いかなる因果かブラウザがスクロールした。どうやら別のところをタッチしながら指でパッドをスライドさせるとスクロールをいじれるらしい。今まで触れてこなかったせいで知らなかったがタッチパッドにはいろいろと機能があるようだ、どんどん探っていこう!と少々パッドに対しての認識を改めようと、あ、閉じた。ブラウザすらも涅槃させるタッチパッドの無神経さに発電所ができるほど鼻息が加速、Firefoxにまたがって首狩り族の仲間入りを果たそうと再度マウスパッドをブラインドタッチするとスリープ前に閉じたあられもない画像がHello World

コンピュータに感情が芽生えた瞬間だろうか。