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大掃除。

朝起きると頭ごなしに「大掃除しろ」と家族に言われたので大掃除することにした。早速窓ふきワイパー激落ちくんと霧吹きを装備し、部屋を丸洗いしてやろうといった気持ちで大掃除に取り掛かったところたった5分、窓を拭いただけで物語が終了した。到底納得がいかない方々もおられるだろうが、そういえば僕ってばクリスマス終了記念に部屋に掃除機をかけていたのを忘れていた。そのおかげで床には塵一つ残ってはいない、とまではいかないものの明日首脳会談を行えるレベルには綺麗になっている。加えて激落ちくんの性能が素晴らしい。まさに激落ちの激落ちたる所以をこの目に焼き付けることができた、もはや「くん」付けでは呼べない、激落ち様だ。

部屋に掃除機をかけるのに1,20分かかるのにいざ大掃除となって5分で終わるとはこれ如何に、部屋の次元が2つほど増えても掃除が大掃除に勝ることってまずないと思う。だがこれで終わらせていいのか、大掃除だぞ?じゃあどこを掃除すれば俺の心は満たされるんだと試しに本棚の上を覗いてみたところそこは雪国だった。という具合にノーベル文学賞を受賞した。これはこれで美しいような気もしたので保留。そういう心こそが一番掃除すべきじゃないか!と憤られる諸兄の気持ちも分かるが当方そういったオチは求めておりませぬ故、そこのところの理解をお願いしたい。じゃあどうする、どこを綺麗にする。

空気か?

乾燥したこの季節にも湿度計が真顔で80%を示す、人類より菌類向けモデルルーム気取りのこの空気を掃除するか?とはいえ空気清浄機なんて便利なものは当然無いし、空気を掃除するハウツーのハの字も出てこない。除湿、という手もあるにはあるが果たしてそれが引き起こす二次災害に僕の体はどこまで耐えられるだろうか。アロマを焚いたりアロエを植えたりすることも候補なんだろうが金銭的にもスペース的にも余裕がない。ならばこれしかあるまい、先程激落ち様の御手によりビフォーアフター三回分を経験した窓を開け放つ。途端に寒気が赤兎馬に騎乗して僕の体をめった刺しにする。寒い、自室に居ながら寒風にさらされることの理不尽さ。しかしこの程度の寒さにやられていては真の大掃除とは言えない。

外側からも拭かなきゃいけないことに気付いたから。