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一人称に悩む。

文中での自らの呼称をどうすればいいのか分からない、という話。この日は便宜上「僕」としておくけれど次に書くときにはどうなっていることやら、もともと日ごとのテンションが常にバイブし続けているような僕とキーボードによって生じる化学反応が生み出す一人称がブレブレだったとしても、それは何ら不思議ではないのだ。そもそも英語圏では一人称はもはやただの棒ともいうべき「I」(方言では「me」もありらしい)一択であるにもかかわらず、日本語では僕を始めとして私、俺、手前、我、拙者、小生、オイラ、朕、おいどん、アタシ、あちきエトセトラ。今挙げたものですらおそらくはほんの一握り、既存のものにオリジナリティをブレンドすることによって百を下らない数ほどにもなり世はまさに大一人称時代とすら言える。

第三者視点や無機質感を強調したいのならば「私」あるいは「僕」、疾走感を求めるのならば「俺」、デカダンスを漂わせるのならば「我」や「小生」、透明感重視なら「アタシ」などこの多様性を逆手にとって日記の表現力、臨場感を増大させることも考えられるが、果たしてそのような使い分けができるほど自分の書いた文章を僕が俯瞰できるのか、といわれたら当然のようにできないと答えるしそもそもそんなことができたのなら初めから今日の日記も書いていない、やはり軸となってくれるような、セーブポイントような安心感のある一人称が欲しいのだ。そうなると上に挙げたものを筆頭に、星の数ほどもある中から生涯の伴侶となってくれるものを探さないといけない。どれもこれも個性的で目移りしてしまう。クールながらも熱いものを秘めていたり厭世観むき出しだったけど少しづつ心を開いてくれたり初めから好意を隠すことがなかったり幼馴染だったり。どうだ、一人称に悩むのはまるでギャルゲーのようなものじゃないか。このヒロインのバリエーション、今からどんなにときめきメモリアルをアップデートしようともこれだけのボリュームは出せない。私が、俺が、拙者が、アタシが、僕に口説かれるのを待っているのだ!

致命的にヒロインの魅力が無い。